のんびり一日目。

megh2006-02-17

7時半、ありえないほどのさわやかさで目覚める。鳥のさえずる声がして、この、本でいっぱいの部屋に朝日が差し込む。9時頃まで勉強して朝ごはん。というか何故か「コロンブス航海誌」を読んでいる。今回持ってきた文庫本は三冊、「コロンブス航海誌」「シャクンタラー姫」「阿部一族」。こんなにのんびりと幸せ気分を味わっていていいのだろうか。
 私がお世話になっているアキール先生は昔東京外大で教えていらっしゃった。先生の娘さんはそのせいで日本語がぺらぺらである。高校2年生なのに私より大人っぽくしかもいいのか悪いのか車の運転までしている。(空港に車で迎えに来てくれたのも彼女である)
 さて例のムハンマド風刺画のせいで今日はカラチ中でストライキがおこっており、すべての公共機関がストップしている。今日はイスラマバードへ行くための飛行機のチケットを予約したかったのだけれど、バスも動いていないせいで身動きがとれない。そこで先生の提案で、現在カラチ大学で勉強している日本人の女の子を訪ねに、カラチ大学女子寮に行くことになる。
 先生の家から車で10分、カラチ大の女子寮に到着。庭には花が咲き乱れるなんとも素敵な寮であった。今ここには3人の日本人の女の子が住んでいる。1人は千尋ちゃん、私が留学していたころにラホールに遊びに来たことがあり、約1年ぶりの再開。もう1人は恵美子ちゃん、最近やってきたひとつ下の女の子。明るくてタフな子ですっかりこっちの生活になじんでいらっしゃる様子。来たばかりなのにウルドゥー語ぺらぺらでこっちはつっかえつっかえでありました。もう1人はサトコさん、別の部屋に住んでいる先輩である。
 お昼は手作りヌードルとチャーワルをいただく。なつかしのチャトパトヌードルの味に感動、そして薄味のチャーワルはほんまに美味しくパキスタン料理ラブの私はばくばくと食べてしまいあとで反省。
 そんなこんなで食事をしていると入れ替わり立ち代りパキスタン人の女の子たちが遊びにくる。この寮に住んでいるパキスタン人の女の子のほとんどは北部地域からきた子たちで、私も旅行をしたことがある場所だったので、話がはずむ。北部地域はアガ・カーンというイマーム(お祈りをするときに真ん前にいるひと)を敬う「イスマイリー派」というイスラム教の宗派を信仰する人が多く、部屋にアガ・カーンの写真が貼られているのが印象的だった。薬学を勉強しにアフリカからの留学生もけっこうたくさん来ているらしい。
 イスマイリー派の人たちはイスラムの戒律が比較的緩やかで、たとえばお祈りはしたいときにする、断食はしない、北部ではお酒を飲む人も結構いたし、女の人もたくさん外を歩いていた。この寮でも私の住んでいたラホールの寮とは違って、ショールをつけずに歩いている子ばかりだった。
 夕方までのんびりしてアキール先生の家に帰ってくる。今日千尋ちゃんの計らいで、日曜日にカラチの芸能や政治を仕切っているらしいおばあちゃんに会うアポイントメントを取ることに成功。素晴らしい。今日は体をパキスタンに慣らす日ということで、楽しくあっという間に一日が過ぎた。お風呂が水しか出ないので、要所しか洗えていなくてちょっとくさくなってきているような気がしないでもないけれどもまあいいか。明日は服も買えたらいいのだけれど。