いってきます。

megh2006-02-16

朝5時半起床、雨。慌しく準備後7時に出発。空港に9時に到着。
 ムハンマドの風刺画の件で、パキスタンでデモがおこり、2名が死亡したという朝日新聞のニュースに、私はひとりでカラチに行くのが急に恐ろしくなり、イスラマバードでおろしてもらえるよう空港で交渉するも無理だった。はてどうしよう、イスラマバードには知り合いがいるが、カラチにはいないので、夜到着してから朝まで、一人で宿を探すか、はたまた空港で朝を迎えるかな。とりあえず死ななきゃいいのですが。と考えつつ先生に電話すると、カラチ大学のアキール先生と言う方を紹介していただく。アポなしなので先生の所に泊まれるかわからないが、先生も私が夜カラチに着くことをアキール先生に連絡しておいてくださるそうでほんとにありがたかった。
 機内で私はタイ航空のスチュワーデスはやっぱりかわいいなあとぼんやり思いながら手紙を書いたり食事を採ったり映画を観たりしていた。映画は観たいなあとおもっていた最近公開されているジョニー・キャッシュの物語で、はじめそれと知らず「なんでジェリー・リー・ルイスがでてるんだろうか」と思いながら観ていたらそれだった、得した気分になるものの途中で寝る、気づいたら終わっていた。
 タイ航空を利用するといつも最後に慌しく配られるおしぼり、日本茶、お茶菓子、を私は薄暗い機内でぼんやりみていたところなんだか痛烈に「もののあはれ」を感じてしまう。過剰なサービスと犬のような客と隣に座ったグループ旅行らしい女性たちの会話内容と冷めたお茶とお茶菓子の上に描かれた梅の花、それがひとつひとつ描かれているであろうどこかの国の工場のことなどを思いわたしはなんだかとても、「せつなく」なってしまったのだ。
 タイ空港の中でカラチ行きの便を待つ待合所にはすっかり中東のかおり、頭に布をまいたじいさん、ひげがもじゃもじゃしすぎている男性(アイスを食べてる)、新婚旅行らしきカップルの女性のシックでセクシーな黒ブルカにうっとりしつつさっきより一回り小さい飛行機に乗る。機内では頭痛のため食事以外はずっと寝ていた。機内食はダール、チキン、チャーワルでやたら美味。
 そんなこんなでカラチに到着するともう10時をまわっている。もしアキール先生に会えなかったらどないしたらいいのでしょう。と不安になった私はちょうど目の前にいらした日本人らしき女性に「すみません、宿がみつからないかもしれなくて困っているんですが、どこか安全なホテルしっていたら教えていただけませんか」と丁寧にお願いしたのですが、「いえ、私たち団体ですからすいません」と一掃され「あれれ冷たい」わたしはぽつねんと蒸し暑い空港に取り残される。てか団体だったら詳しい添乗員がいるじゃん。その人にちょっと聞くぐらいしてくれてもいいじゃん。もうどうにでもなれといった心境、アキール先生の携帯に電話すると、なんと先生空港まで迎えに来てくださっていた。到着後5分で寝床を確保する幸運。
 先生お宅の、壁一面本に囲まれたソファベッドで眠る。おやすみなさい。