山田和というひと

最初に彼と出会ったのはこの本を読んだとき。

インド・エリートビジネスマンの「日本体験記」 喪失の国、日本 (文春文庫)

インド・エリートビジネスマンの「日本体験記」 喪失の国、日本 (文春文庫)

これは、あるインドの企業が今後の日本との付き合いを円滑に進めるため一人のインド人を「おまえ、日本に行って日本人のサラリーマンと遊んで、向こうの仕事の進め方を観察してくるんだ」と使わせた際の、観察レポート。山田和はヒンディー語でひっそりと出版されていたこの本を偶然発見し、別の機会にこれまた偶然その作者にめぐりあう。ヒンディー語があまりできなかった彼は、この本の翻訳のために彼に自書の英語訳を依頼。そして日本に発表されたのがこちら。鋭い観察眼に脱帽。
次に彼に出会ったのがこの本。
インド不思議研究―発毛剤から性愛の奥義まで

インド不思議研究―発毛剤から性愛の奥義まで

「喪失の国、日本」の訳者と同一人物だと知らずに読んでいました。私はこういったインド関係の読みやすい本をかなりたくさん読んでいる方だと自負しているのですが、彼の文体は素朴で温かみがあり、何より研究者に必要な(彼は職業的研究者ではないけれども)「純粋な知的好奇心」にみたみたされたもので私は久しぶりにわくわくしながら本を読む幸せにめぐまれたのでした。
次にインタビューの仕方についての本を探していたときに図書館で見つけたのがこれ。
インドの大道商人

インドの大道商人

装丁が横尾忠則というところも熱いです。これは彼が16年かけてインドの道端で商売をしている人「大道商人」に月収や出身地や家族についてインタビューした際の写真、文章、コラムをまとめたもの。私はこの本を読んですっかり彼のファンになってしまいました。
私も彼のようにひとつのことについてとてもとても丁寧に、相手の誇りを大切にして調べものをしよう、うむ。