日本の伝統芸能

megh2006-05-27

NHKシリーズ『日本の伝統芸能』をぱらぱらめくる。
歌舞伎を観に行くと、「時代物」「踊り」「世話物」の3本立になっていることが多い。
今までは何にも考えずにいたのだけれど、この本によると、ここでいう「時代物」とは「江戸時代における時代劇」つまり江戸時代の人達が、「昔こんなことあったのか」と思いながら観ていたものだそうです。「大化の改新」や「源平合戦」などね。
おもしろいのは、それらが江戸時代の服装や風習に持って来られて、もしくは自分たちの面白いように脚色されて演じられていたということ。蘇我入鹿が鹿の生き血により生まれた超人で、嫉妬に狂った女の生き血と鹿の生き血がの二つがないと倒せない。というはちゃめちゃぶり。
三島由紀夫の『近代能楽集』は、江戸時代に当たり前になされてきた事を、もっかいやってみようという試みだったのかしらとふと思った。ほんとのところは知らないけれど。
(写真は蜷川幸雄演出・NINAGAWA十二夜尾上菊之助