「色っぽくて、不条理。」

恋する文楽 (ちくま文庫)

恋する文楽 (ちくま文庫)

文楽が他の「伝統芸能」より優れている点は、多々ある。
値段が安い。敷居が低い。一度で人形・三味線・浄瑠璃の三つが楽しめる。などなど。
学生は2500円で観れる!し、もっと安い演目もあります。その上一回の演目で登場する技芸員は、人形一体に三人、かける人形分。三味線一人から数名。浄瑠璃一人から数名。何人もの人間国宝の技を、2500円で楽しめるなんてね。これはお買い得やと思いませんか。
話の内容もわかりやすいものが多いと思う。最近は舞台上部に字幕まで出ている。イヤホンガイドを借りれば、詳しい現代語訳から、文楽に関するさまざまな豆知識、幕間にはインタビューなども聞けます。
この本は、そんな文楽に「恋して」しまったらしい著者の、文楽に対する熱い想いがみっちり書かれています。
自分の文楽おっかけ日記なんかも載せちゃう。それはちょっと勘弁、やったけども。しかしそういう超個人的過ぎる記述に目をつぶれば、これほど文楽を身近に感じることができる本は無いのではないだろうか。